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2016-04-20

毎日新聞社に取材いただきました2015.5.28

毎日新聞社に「がんと就労」をテーマに取材を受けました。
取材いただいた記者の方も、がんサバイバー。
互いに話を交わすことで、あらたな気づきを得る貴重な機会でした。

以下、抜粋です。毎日新聞社のwebページはこちら(全文)

一日のスタート

<がん社会はどこへ>働き続けたい:自分らしく別の人生選択も

「がんになって私の人生は大きく変わりました」

東京都在住のキャリアカウンセラー、砂川(すなかわ)未夏(みか)さん(40)は25歳で結婚し、その3年後、健康診断から血液がんの一種「悪性リンパ腫」が判明した。勤めていた外資系の大手飲食チェーンは新店舗のオープンが続き、激務ながらも仕事にやりがいを感じていた。

「今、会社を辞めるわけにはいかない」

会社には、がん患者に対応する制度は整っていなかった。「制度がないなら実例を作ろう」と、砂川さんは信頼できる上司と共に人事担当者にかけ合った。「復帰できる根拠も示さなければ」と、主治医に治療の見通しも聞いていた。その結果、半年間の休職期間を経て復職。まずは週4回時短で働き始め、半年してフルタイムに戻った。

■ 会社辞め、患者支援

ところが復職2年後、体調不良に見舞われる。抗がん剤治療の副作用に対するホルモン剤を服用し、気分のムラも激しい。仕事上の人間関係に悩み、私生活ではつらい不妊治療を続けていた。

「何のために働いているんだろう……」。

もんもんとしていた中、「キャリアカウンセラー」の存在を知った。マネジメントの勉強のつもりで講習を受けることにしたが、「生き方を整理する」というこの仕事に魅力を感じ、資格を取得。砂川さんは会社を辞めてキャリアカウンセラーとして独立した。
企業や大学に赴き、キャリア支援などの仕事に没頭していたある日、カウンセラー仲間から「あなたのアイデンティティーの中にはがんがある」と指摘される。「がん患者であること」は、自分の中で封印していたつもりだった。しかしその一言で目が覚め、がんサバイバーのキャリア支援に取り組むことにした。
昨年6月、今度は乳がんが見つかった。砂川さんに深刻さはない。半年間の治療中も仕事を続け、今はその量を少しずつ増やしている。「病を持つ人が、より自分らしく生きることを応援し続けたい」

■ 社会で生きる存在

治療中の患者を含め、がん経験者を「がんサバイバー」と呼ぶ。国立がん研究センターの高橋都(みやこ)・がんサバイバーシップ支援研究部長は「命の残りの時間が長かろうと短かろうと、患者は普段、医療機関ではなく職場や地域で生きている。そのことを医療者も忘れがちです。がん患者は『社会で生きる存在』なのです」。さらに高橋さんが、患者への聞き取りから痛感するのは、患者それぞれが違う「個別性の高さ」だという。「『仕事を辞めない』ことが強調されがちですが、熟慮の末、納得して退職し、次のステージに向かう人もいる。がんがきっかけで、人生の別の側面に目が向くこともあります」


◇がん患者の就労を支援する主な専門家
「社会保険労務士」は国家資格で、労働や社会保険に関する法令に基づいて各種手続きを行うほか、労働、社会保険、年金関連の問題の相談に応じる。「産業カウンセラー」は民間資格で、メンタルヘルス対策や、セクハラ・パワハラの相談など職場での心の問題を解決するための支援を行う。同じく民間資格の「キャリアカウンセラー」は、各個人の能力や価値観に応じた職業の選択を助け、仕事やキャリア関連の相談に応じる。


 

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