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2016-06-21

キャリアコンサルタント季刊誌へ活動掲載2014.8

キャリアコンサルタント向けの研究会を立ち上げた当時に
その経緯をインタビューいただきました。

私は、キャリアコンサルタントの資格を取得し、
2013年から働くがん患者さんに向けた活動を開始しました。

その後、
キャリアコンサルタントの皆さんに働くがん患者さんの現状や課題を知ってほしい、
という思いを温めてきました。

翌2014年4月にキャリアコンサルタントの団体である日本キャリア開発協会内に
「がん等の有病者へのキャリア支援~仕事と治療の支援~」をテーマに研究会を立ち上げました。

現在は、東京では年に2回開催しております。
名古屋、鹿児島ではキャリアコンサルタントの仲間が開催しております。
今後は、他のエリアへも活動の輪を広げていきます!

また、当研究会は、他団体の方も聴講可能です。

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以下、日本キャリア開発協会が発行する季刊誌掲載されたインタビュー記事になります。
(団体へ掲載許可をいただいております。)

「がん等の有病者へのキャリア支援」の研究会を立ち上げる

がんは、日本における死因第一位の病気。

一方、医療の進歩により治 療をしながら働き続けることができるようになっている。
仕事と治療の 両立や仕事の復帰時期、就労継続、転職などに不安を抱く人も多いのに、まだまだ相談体制が整っていないのが現状だそう。

今回のCDAインタビューは、N1研究会「がん等の有病者へのキャリア支援~仕事と治療 の両立~」を立ち上げたばかりの「砂川未夏さん」です。募集を掛けた ところ、たちまち全国から170名を超すメンバーが登録。関心の高さ が伺えます。また昨年秋から毎月実施されている女性がん経験者のため のセミナー「パワーチャージカフェ」の開催地東京・大田区にある男女 平等推進センター「エセナおおた」にてお話を伺いました。

-そもそもキャリアコンサルタント(CDA)の資格を取られたきっかけは?

29歳の時、健康診断でガン(悪性リンパ腫)が見つかったことでしょうか。家庭と両立しながらハードワークをこなす日々でしたが、ある日突然「患者」になってしまったのです。家族、親戚にもがん患者はいなかったのに。考えてみると首のリンパが腫れ上がり、微熱が続いていたのに放っておいたんですね。それまで病気で入院したことはありませんでした。幸い抗がん剤が効き、職場に復帰できたのですが、仕事と治療、家庭の両立について悩むようになりました。

-復帰できたんですね。

そうですね… 上司や同僚に「待っているよ」と言われたことが支えでした。診断されてから選択と決断の連続でした。治療法はもちろんのこと、実家に戻って治療体制を整え、復帰に向けて上司や人事とよく話し合い、「10時から15時までの時短勤務」から仕事復帰ができました。でも、体力は落ち、副作用もあって以前と同じようにはいかなかったんです。再発の不安もあり、健康、仕事、家庭など、ワークライフバランスの大切さを実感しつつ、このままやっていけるのかと今後のキャリアの方向性について迷うようになりました。そんなとき当時の上司から「キャリアを総合的に学べる資格がある」とキャリアコンサルタント(CDA)のことを教わりました。これは自分にも職場のチームにも役立ちそうだと思い、講座に通い始めました。

-通ってみていかがでしたか?

病気をしてから2年以上もキャリアについて悶々と悩みつづけていました。しかし講座の授業を通して自己理解を深め、キャリアカウンセリングの専門性を深めたいという思いから、退職を考えるようになりました。ところがいざ退職となると葛藤は大きく、前に進めない。そこで同じ志をもつ仲間や信頼できる講師と語ることで葛藤から解放されたように思います。

-葛藤とは?

しなやかに自分らしく生きていきたいと思う一方で、組織でこれまで積み上げてきたものを失うことへのプライドが邪魔をしていたり、家族に心配かけないよう体に負担のない働き方をしたいと思いながらハードに頑張ることを美徳としている自分がいたりなど、色々ありました。今振り返ると、自分について人に相談してこなかった私が周囲へ自己開示して、問題に正面から立ち向かった経験は、自分のキャリアチェンジすることにつながりましたし、今の私があると思います。だからこそ、「誰かに相談なんて」と思う方にカウンセリングを受けてもらいたいという思いがありますね。

-がん等の有病者への支援をしようと思ったのは?

クライエントが自分らしくイキイキと働き続けることを応援したい、という思いから、5年間若年者や女性に対するキャリア支援を経験してきたんですが、その後、向上研修のCC-Tなどに参加したり、ピアファシリテーターをする中で今後の支援のあり方を模索し始めました。多くのCDA仲間からの問いかけを経て、恐れが最初は強かったのですが、病気というノンイベントを乗り越えて「自分らしく働くこと」を応援したい、という気持ちが強くなり、有病者に向けた支援をしようと思いつきました。

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-それが「パワーチャージカフェ」につながったのですね。

女性というのは治療、家庭や育児との両立も加わり、周囲に元気な姿を見せたいという思いとまた再発するのではないかと不安や自責の念などで心が大きく揺れます。そうした不安を少しでも解消し、がんと共に生きることを受け入れ、中長期に渡って働き続けられるよう「心、身体、キャリア」の3つの側面から支援したいと思ったのです。終了後のアンケートでは「自分と向き合えた」「不安が解消された」「新しい発想、考え方の視点が得られた」などの感想をいただきました。単に思いを語り合う場だけではなく「希望」を持ち、前を向いて生きていけるようになっていただくのが目的です。そのため、自分がどうしたいか、を見つけられた人は次の回にはもう来なくなります。必要としている時に来ていただければ、それでいいんです。

-パワーチャージカフェっていい名前ですね。
どうしてつけられたのですか?どんなことを行っているのでしょうか?

エセナおおたの理事の方たちとの打ち合わせで「カフェがいいね」「女性たちに元気になってもらいたいね」ということで、この名前がつきました。希望が持てると感じましたね。
昨年の11月、12月に3日間コースを行いました。毎回15名ぐらいの女性のがん経験者の方々が参加しました。1日目は自分を癒す(心のコリをほぐすためのフラワー&アロマセラピー)、2日目は体のリズムを整える(免疫力と美肌力を高める食べ方と代謝アップ体操)、3日目は働くイメージを持つ(仕事とプライベートと通院のバランスをとりながら働き続けるためのコツ)を行いました。

-講座を行って印象に残っていることはありますか?

皆さん「家族にも言えないことがここでは話せた」と言います。また病気を受け入れられず自分を責めていた方が家族への感謝の気持ちを話せるようになるなど、毎回皆さんが変化したことが印象に残っていますね。また、グループワークにおいて、こだわり・価値観を選択してもらったのですが、やっぱり「健康」を選ばないんだなと思いました。10年経って再発もありえますし、病気になる前とは同じではありません。だからこそ受け止め、上手につきあうことが大切だと思います。選択されるのは「自分の存在」「他者」に関わるものが多いです。今を生きているからこそ「誰かの役に立って死にたい」「周囲の支えがあっての自分である」と。講座の最後に来年桜の咲く頃の自分へ100日後の手紙を書いていただいたんですね。それを預かり、春に一人ひとりに郵送したら、ある方から「私、こんなことに悩んでいたんですね。今は楽しく仕事をしています」という感想をいただきました。乗り越えられたっていうことですね。
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-研究会では今後どのように活動をしていきたいのでしょうか?

名古屋で活動されている服部文さんとともに、まずは東京と名古屋において、医療分野という新しい領域でキャリアカウンセラーが活躍できる可能性を模索していきたい。そのために「がん等の有病者へのキャリア支援」に関心のある全国のCDAと繋がり、メンバーの意見を聞きながら進めていきたいです。6月7日に第1回目が開催されます(取材したのは6月3日)。行政、病院、企業などの関係者の方と繋がってがん経験者のキャリアを包括的に支援できるようできるところから草の根的に動いていきたいですね。

-個人的には?

ライフワークとして、有病者のキャリアを考え続けたいです。なぜ、私が20代でがんになったのか、その意味が変化していくのを味わいながら「しなやかさ」を追求し続けたい。病気になるとアイデンティティが崩壊してしまうんですね。私のキャリアは、周囲に支えられながらそれを再構築するプロセスでもありました。病気にならなければ、おそらくキャリアカウンセラーになっていなかったと思います。病気になった私には上司がいました。CDA講座には仲間や講師がいました。自分もそういう支援者でありたい。相手(クライエント)の生き方・キャリアを考える際の一助となれるよう研鑽し続けながら、病気になる前より自分らしく働く・生きる、を応援したい。何よりも相手が変わっていく様子を共に感じられることが嬉しいですね。しかし一人のチカラではあらゆる点で限界があります。多様な専門性を持つキャリアカウンセラーの皆さんとつながることで支援の幅や深みが増すのではないかと考えています。

ありがとうございました

取材を終えて:砂川さんとは以前から知り合いでしたが、なかなかじっくり話す機会はありませんでした。そのためインタビューということを忘れ、見た目の柔らかさと違った砂川さんの内面にある凛とした生き方に引き込まれていきました。砂川さんの話を聞いて「人は『希望』がないと前に進めない」ことを痛感しました。例えば若い女性ががんにかかり、「抗がん剤を打ったらもう子供は産めなくなるのですか?」という問いかけに医者は「その可能性もある」としか言わない(言えない)という。それは仕方がないかもしれないが、未来に希望を持つことができにくくなる。結婚している人は離婚まで考えるという。そこに寄り添う人が必要なのではないか。「アイデンティティを再構築するため支援をしてくれる人」が。その数(キャリアコンサルタント)を増やそうとしているのが砂川さんだ。今後も病院などに行き、啓蒙活動をしていくという。今後も砂川さんの活動に目が離せない。

※聞き手および文の編集は、私の大先輩であり、友人であるキャリアコンサルタントに行っていただきました!
私の意図を丁寧にくみ取っていただきました。感謝☆

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