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2019-12-17

キャリアコンサルタントって何をする人?―個人のキャリア形成を支援する専門家ー

国立がん研究センターでは、経営層ならびに人事・労務担当者向けに

がんになっても安心 して働ける職場づくりガイドブックー中小企業編ー

というものを作成し公開しています。

このガイドブックでは、

がん対策がなぜ必要なのか

どのような対処をすればよいのか

普段からどのような準備をすればよいのか

といったことが学べるようになっています。

 

このなかには「がん支援で心がける7カ条」(p.15)というものが記載されており、

  1. 社 員の気持ちに寄り添う
  2. 本人の意向を確認し、話し合う
  3. がんのイメージに振り回 されない
  4. 状況の変化に柔軟に対応する
  5. 個別性を考慮する
  6. 個人情報の取り 扱いに気をつける
  7. 周囲の社員への配慮も忘れない

といった気を付けるべきポイント や配慮すべき事柄が示されています。

しかし、これを読んだだけでは、なかなか実際の現場まで落とし込んで理解することはでき ないかもしれませんね。具体的にどのような支援を組み立てていけば良いのかは、それぞれ の会社によっても異なることでしょう。

今までの仕組みを変えるのは難しいし面倒だから・・・

と後回しにしないためにも知ってお きたいのが、専門家に相談する方法です。

 

経営側の視点と患者本人の視点の違い

経営側としては、会社がうまく回っているかを常に考えなくてはいけませんので、病気の治 療が必要となった従業員を目にしたとき、「病気でできなくなったこと」や「代わりに仕事 を行う周りの負担が増えたこと」などの客観的な情報から、働ける状態にあるかどうかを中 心に判断してしまいがちです。「この従業員は働ける状態にあるか」という「事例性」にの み注目してしまう傾向があるのです。

しかし、がん治療と仕事の両立支援という分野では、当事者の「心」や「身体の状態」を丁 寧に取り扱う必要があります。

治療中の当事者は、「だるさ、しびれ、むくみ、物忘れ」などの副作用に苦しんでいること も多く、「身体が以前のように動かせない」といった体の症状で悩んでいたりすることもあります。実際の症状や病名など、医療の専門家が判断する内容を「疾病性(≒病気の確定)」 と言います。

しかし職場では、先に挙げた「事例性」と個人の「疾病性」という2つの視点を繋ぐことが 難しいため、そこに介入していく専門家の役割が重要となります。

患者、家族、医師、産業医、衛生管理者、人事労務管理者、など、個人と医療、企業を繋ぐ 役割を担う両立支援コーディネーターの養成は、国としての課題になっており、治療と仕事 の両立を管理できる社会を目指し、様々な取り組みが行われている段階です。

厚生労働省HPにある取り組みまとめ→

 

 

企業と個人を繋ぐ専門的な支援を行う職業には、社会保険労務士(社労士)やキャリアコン サルタントを挙げることができます。

 

キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタントって何?

厚生労働省のウェブページでは「キャリア」について、

「過去から将来の長期にわたる職務 経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指す」と定義しています。

「キャリアコンサル ティング」については、労働者の職業の選択、職業生活設計、または職業能力の開発および 向上に関する相談に応じ、助言および指導を行うこと、としています。

働く人、働きたい人すべてにとって大切なキャリアを、幅広い分野で支援してくれる専門家 に「キャリアコンサルタント」がいます。

 

キャリアコンサルタントの資格は 2016 年 4 月よ り創設されたもので、職業能力開発促進法において国家資格として認定されています。この 資格を取得するためには、指定された講習を修了し、試験に合格し、3年以上の実務経験を 有するなどの諸条件を満たす必要があります。資格取得後も5年毎に更新をする必要があ ります。また、認定資格を保有せずにキャリアコンサルタントと名乗ることはできません。 キャリアコンサルタントの多くは、企業、ハローワーク等、教育機関、若者自律支援機関な ど、様々な分野で活躍しています。

 
社会保険労務士(社労士)やファイナンシャルプランナー(FP)との違いは?
 
キャリア形成と関わるその他の職業に、社会保険労務士(社労士)やファイナンシャルプラ ンナー(FP)を挙げることができます。社労士や FP とキャリアコンサルタントの違いは、 一対どこにあるのでしょうか。ここで、それぞれの特徴を簡単に整理してみたいと思います。

社労士、FP、キャリアコンサルタントの違い

◯社会保険労務士(社労士)  国家資格

 主な仕事内容:

 労働法規や労務管理の専門家。

 企業における採用から退職まで に関わり、労働や社会保険に関 する手続きや問題への対処、年金の相談などに対応する。労働 に関するトラブルを解決するた めのサポートも行う。

 

◯ファイナンシャルプランナー (FP) 

  国家資格(FP 技能士) と日本 FP 協会によ る認定資格(CFP 資格/AFP 資格)の2種類がある。

  主な仕事内容:

  総合的な資金計画を立てるファ イナンシャル・プラニングを支 援する。家計、税制、不動産、住 宅ローン、保険、医療費、教育資 金、年金制度などの知識を有し、 くらしとお金の支援を行う。

 

◯キャリアコンサルタント  国家資格

  主な仕事内容:個人のこれからの働き方について様々な側面から支援(キャリア形成支援)を行いっつ、ひとりひとりの基軸となる 価値観やこだわり、強みなどを引き出しなが ら、個人が選択した環境の中で自ら主体的に人生設計をして いけるように支援する。

 

キャリアコンサルタントと社労士、FP が大きく異なるのは、キャリアコンサルタントが相談者個人の「心の問題」を取り扱うという点です。手続き的な支援を中心に行う社労士や FPと比較すると、個人の価値観や人生観などにも踏み込み、心のなかを探っていくカウンセリ ングも兼ねた支援を行っていることが分かります。

改めて定義するならば、キャリアコンサルタントは、相談者ひとりひとりの気持ちに寄り添 いながら、その人らしい生き方や働き方ができるように支援する専門家、といえるでしょう。

 

 

キャリアコンサルティングはなぜ必要なの?

 
変化が激しい不安定な時代において社会全体の課題と言えるのは、働く人々それぞれのキ ャリアを支援し、働き続けられる環境づくりをしていくことです。

当然のことながら、社内における両立支援の体制を整えることは急務といえます。

今やがんは「働きながら治す病気」です。 病気になった従業員にも、働きながら治療をしてもらえるような環境づくりを進めていく ことは、「働き続けてもらえる」会社づくりにも重要なポイントとなるのです。 そのためにも、会社のなかだけで悩まないこと。 進んで相談し外部からの支援を求める姿勢も必要です。

 

とはいえ、組織の中において、個人の独りよがりな支援にならないことも大切です。

自分を知り、他者を知り、環境に適応できるよう能力開発を進めながら自分との関係性、他者や組織と良好な関係性を高めていくことでwin-win-winとなって、今の環境において能力を最大限に発揮して充実した職業人生を送れるよう支援していきます。

 
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