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2019-11-07

「がん」治療中の部下のためにできること①:当事者の気持ちに寄り添う

職場で部下が「がん」と診断された・・・

そんなとき、

上司として一体どのような支援をすればよいのだろう・・・

と迷ってしまうことがあるかもしれません。

 

 

多くの場合、

「治るまでしっかり休んだ方がいい」

「無理しないほうがいいよ」

と声をかけてしまうことでしょう。

 

大切な部下の身体を心配するあまり、

休養を勧めたくなるお気持ちはとてもよく分かります。

 

 

しかし、もしも・・・

がん治療が必要となってしまった当事者(部下本人)が

「働き続けたい」と思っていた場合はどうでしょうか。

 

 

上司であるあなたが強く休養を勧めてしまうと、

本人の口からは「仕事を辞めずに働き続けたいと思っている」

とは言えない空気になってしまうかもしれません。

 

 

がんの診断を受けた従業員の中には、

会社や上司から「無理せず治るまで休みなさい」

と長期の休養を勧められると

「自分は必要とされていない」

「このまま仕事を続けてはいけない」

と感じてしまうこともあるようです。

 

仕事に重きを置いている方は

特にその傾向が強いように感じます。

 

 

今回から2回に分けて、

「がん」治療が必要となった部下のために

「上司の立場からできること」

「していただきたいこと」

をご提案していきたいと思います。

 

 

1回目のテーマは、

「当事者の気持ちにどう寄り添うとよいか」

 

 

がん患者の離職理由の背景にあるもの

 

労働基準局の講演資料として厚生労働省のウェブサイト内で公開されている

治療と職業生活の両立支援についての取り組み」を見ると、

 

がん患者の離職理由のトップ3に

「仕事を続ける自信がなくなった」

「会社や同僚、仕事関係の人々に迷惑をかけると思った」

「治療や静養に必要な休みをとることが難しかった」

が挙げられており、治療と仕事を両立するための体制や

社内の理解が足りていなかった様子が伺えます。

 

また、両立支援を行うにあたって

「身近な相談先」の不足も課題となっていました。

 

 

部下から病気や治療の相談を受けたとき、

普段から共に仕事を行う身近な存在である上司が

どのような対応をするか?」ということは、

報告を受けた後、両立支援を円滑に進めていくうえでも重要なのです。

 

普段から相談しやすい関係性を築いておくことも

大切なポイントのひとつといえますね。

 

 

両立支援をするために必要なこと

 

厚生労働省のウェブサイトでは

事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン

が公開されています。

 

治療と仕事の両立支援は、

国としても大きな関心事となっていることが伺えます。

 

 

両立支援の枠組みが社内にすでに整えられている場合は、

そのような制度を活用できることを当事者に伝えられるようにしておきましょう。

 

 

支援制度が整っていない場合は、大切な人財を手放さないためにも

経営者として従業員のために、上司として、部下のために

できることを考えなくてはなりません。

 

 

具体的には会社と部下の間を取り持つ役割を担うことになりますが、

そのためには、当事者(部下)の症状や治療の状況

現在の健康状態や当事者の仕事に対する想いや希望

について、話を丁寧に聞く必要があります。

 

 

当事者(部下)の想いに耳を傾け、味方であることを伝える

 

まず、がん罹患に関して部下から報告や相談があったときは、

お見舞いの言葉をかけてください。そして、

思い切って打ち明けてくれたことを労ってください。

 

 

それから、

「治療=働けない、ではないこと」

「両立支援に関する会社の基本方針」

などを伝えるようにします。

 

 

何よりも大切なことは、本人の考えを聞くことです。

仕事を続けたいと思っているか、あるいは

しばらく休んでから復職したいと考えているのか、

などを含め部下本人からの話をしっかりと聞きます。

 

現在の症状や今後必要となる治療についても、

可能な限り詳細を確認するようにしましょう。

 

患者となった部下本人から報告される情報は、

会社として両立支援を行っていくうえで必要な最初の情報です。

 

 

相談を受けた内容はむやみに公言したりせず、

必ず本人の意向を尋ねてから誰にどのように伝えるかを話し合いましょう。

 

 

自分の考えを一方的に話したりせず、相手の話をじっくり聞くようにするだけで、

安心感を与えることができます。慎重さと真摯な態度を意識してみてください。

 

 

この最初の報告・相談を受けたときに適切な受け止め方ができないと、

当事者を必要以上に追い込んでしまいます。

 

 

本人が治療と仕事の両立を希望(あるいは検討)している場合は、

その意思を尊重し、上司としてもできる限りの支援を行い、

チームとしても、一丸となってサポートしていくつもりであることなどを、

しっかりと伝えるようにしましょう。

 

 

普段から話しやすい関係性を築いておく

 

「がん治療」と仕事の両立支援を行う際は、

様々な情報を共有し合いたくさんの話し合いをしなくてはなりません。

 

普段から話しやすい関係が築けていれば、

病気になったときも報告や相談がしやすくなりますね。

 

 

がん治療と仕事を両立できた方々について調べてみると、

普段から話しやすい上司や同僚に囲まれていた方は、

比較的ストレスなく両立することができていたように感じます。

 

 

既に様々な企業で従業員のための「治療と仕事の両立支援」が行われていますが、

他の会社の取り組みは会社内の両立支援を行う制度を整える参考にはなっても、

そのまま導入することは難しい場合があります。

 

会社の規模や業種によっても状況は大きく変わってきますので、

自分たちの会社や従業員の状況に適した制度を会社全体で整え、

また状況に応じてアップデートしていく必要があります。

 

「がん」は誰もがかかりうる病気であり、困ったときはお互い様です。

温かくサポートしあえる関係性を育んでいきましょう。

 

 

次回は、「必要な知識を蓄える」というテーマで、

治療が必要な部下のために、上司として知っておきたいことや

調べておきたい事柄などをご紹介していきます。

 

 

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